マルトデキストリン|ハゲデブへの影響・選び方・摂取タイミング
この記事は「これを見ればマルトデキストリンの全てがわかる」をコンセプトに書いています。
マルトデキストリンの基礎知識、効果や種類、マルトデキストリンの選び方、摂取のタイミング、私の経験をもとにしたハゲデブへのオススメ度、食事制限への影響まで幅広くまとめています。
記事は長めですが、ぜひしっかり読み込んでマルトデキストリンの理解を深めましょう!
マルトデキストリンとは
まずはマルトデキストリンについて正しく学びましょう!
とうもろこし等のデンプンを加水分解したもので吸収率を高めたもの
マルトデキストリンは簡単にいってしまうとブドウ糖です。
ブドウ糖と聞けば、お菓子や料理などにもよく使われているものだと知っている人も多いと思います。
ブドウ糖はとうもろこし等から採取されたデンプンを加水分解してグルコース(ブドウ糖)にしたものです。
つまり糖分わけですが、なぜマルトデキストリンが運動用のサプリメントとして販売されているかというと、マルトデキストリンの水溶性という特徴と吸収の速さにあります。
そもそも筋トレを効率的におこなうためにはATPというエネルギーを体内で生産することが重要になりますが、筋トレを実施する上で重要になるのが糖質を使用した解糖系というエネルギー代謝回路になります。
糖分はグリコーゲンとして筋肉に蓄えられていますが運動により消費されてしまいますので、吸収の早いマルトデキストリンを運動中に摂取することで効率的に筋トレをすることができると言われています。
マルトデキストリンの効果
マルトデキストリンの効果について知ろう!
筋肉分解の抑制
筋肥大の促進
持久力の向上
パンプアップ効果
※サプリメントの効果ではなく配合される一部の成分効果です。
筋肉分解の抑制
筋トレ時に糖質を摂取することで、筋肉の分解が抑制されたという実験結果(*1)が出ています。
筋トレをすると筋肉が傷つき、その状態から回復させることで筋肉を大きくすることができますが、筋肉の分解と合成が同時に起こっています。
また糖質が不足すると糖新生という筋肉などからアミノ酸を取り出して糖質を作り出す作用が起きてしまうため、運動時には糖質を摂取することが大切になります。
筋肥大の促進
糖質を摂取すると体内でインスリンという物質が分泌されます。
先ほど伝えた通り、筋トレをすると筋肉が傷つき分解も合わせて行われるため、筋肉を大きくするためには筋肉に栄養をしっかり運ぶことが大切になります。
インスリンは血液中の糖質やアミノ酸を筋肉に運び込んでくれるので、筋肥大効果に期待ができるんです。
持久力の向上
先ほどもお伝えしたとおり、筋トレをする際は主に糖質が使用されることが多いです。
筋肉に保存されている筋グリコーゲンは運動をすることで消費されてしまうので、運動時に摂取をすることで、筋肉を動かすためのエネルギー補給をすることができるわけです。
実際にサイクリストの筋持久力が向上したという実験結果(*2)も出ています。
パンプアップ効果
ボディビル大会などに出場するマッチョたちは、大会直前に糖質を摂取します。
糖質を摂取すると筋肉の中の筋グリコーゲンが増加しますが、補充される際に水分と結合させるため、それらによって筋断面積が増えることでパンプアップ効果に期待ができる(*3)わけです。
直前にマッチョが和菓子を食べているのはそういった理由があります。
マルトデキストリンの種類
マルトデキストリンとクラスターデキストリンの2種類があるよ!
マルトデキストリン
クラスターデキストリン
マルトデキストリンと同じような栄養素としてクラスターデキストリンというものがあります。
マルトデキストリンは低分子なので吸収スピードが速いという特徴がありますが、クラスターデキストリンは高分子なので吸収が緩やかという特徴があります。
「じゃあ吸収スピードが速いマルトデキストリンでいいじゃん」と思うかもしれませんが、吸収スピードが速いと血糖値も急激に上がり血糖値を下げるためのインスリンも過度に分泌されることになります。
すると一気に血糖値が下がるインスリンスパイクという現象が起き、パフォーマンスが長続きしないというデメリットがあるのと、血管を傷つけるリスクがあったりとあまりいいことがありません。
個人的にはマルトデキストリンとクラスターデキストリンは飲み方と使い分けだと思っていますが、どちらか一方なのであればクラスターデキストリンがオススメです。
マルトデキストリンの選び方
マルトデキストリンかクラスターデキストリンか
マルトデキストリンは基本的にあまり違いはないと思います。
どの製品も比較的安価で購入することができますし、無味でプロテインやEAAの邪魔をしないように製造されているものがほとんどです。
そのため、選び方としては先ほどお伝えをしたマルトデキストリンとクラスターデキストリンのどちらを選ぶかぐらいです。
個人的にはマルトデキストリンでも運動中に時間をかけて飲むのであればいいと思いますが、継続的に糖質を体内に補給し運動のパフォーマンスを上げるという意味ではクラスターデキストリンの方が向いています。
実際にマウスを使用した実験では、グルコースとクラスターデキストリンをそれぞれ投与したマウスを限界遊泳時間を計測したところ、クラスターデキストリンの方が20%延びたという結果(*4)も得られています。
極力インスリンスパイクを避けて運動パフォーマンスを上げたいという人はクラスターデキストリンを選ぶようにしましょう。
マルトデキストリンの摂り方
私が実施していたマルトデキストリンの摂り方を紹介します!
マルトデキストリンはEAAなどのワークアウトドリンクと混ぜて摂取をしています。
筋肉に糖質を送り込んで運動のパフォーマンスをあげ、筋分解を抑制するために運動中に摂取するようにしています(詳細は摂取タイミングにて記載)。
ちなみに私はワークアウトドリンクとしてEAA、グルタミン、クレアチンと一緒にマルトデキストリンも混ぜて摂取するようにしていました。
マルトデキストリンの摂取量
私のマルトデキストリンの摂取量を紹介します!
私が実施していた摂取量 | 20〜40g/日 |
摂取上限量 | – |
マルトデキストリンの摂取量は「体重の6%」「体重×1g」「1回50g」など色々言われていますが、明確な決まりはありません。
繰り返しになりますがマルトデキストリンは糖質なので、その日の食事とのバランスを確認しながら摂取量を調整するようにすることが大切です。
私は運動中の糖質摂取も大切だと理解しているので摂取しないことはないですが、おそらく他の人に比べると摂取量は20〜40gと少ない量で抑えるようにしています。
基本的に糖質は食事で摂取したい派なのと、大量の糖質を短時間で摂取するリスクを考えて上記の量で抑えるようにしていました。
マルトデキストリンの摂取タイミング
私のマルトデキストリンの摂取タイミングを紹介します!
運動15分前くらいから摂取し始めて運動終了まで継続的に摂取しています。
マルトデキストリンは吸収スピードが速いという特徴がありますが、血中に吸収されて筋肉で使用されるまでにタイムラグがありますので、運動前から継続的に摂取をすることで常に筋肉に糖質を送り込めるようにしています。
もしマルトデキストリンとクラスターデキストリンを使い分けて摂取するのであれば、クラスターデキストリンはワークアウトドリンクとして混ぜて摂取し、マルトデキストリンは運動後のプロテインに混ぜて摂取することをオススメします。
マルトデキストリンのハゲデブへの影響度
続いて私が考えるマルトデキストリンの薄毛と肥満への影響について紹介します!
ハゲへの影響度 | △ |
デブへの影響度 | △ |
ハゲへのオススメ度
マルトデキストリンは糖質なので、三大栄養素のひとつである炭水化物を構成する栄養素という意味では薄毛にとっても大切になります。
一方でマルトデキストリンが直接的に薄毛に影響があるかというと、ありません。
育毛剤の増粘剤や安定剤として使用されることはありますが、育毛効果を発揮するために配合されているわけではありません。
デブへのオススメ度
筋トレのパフォーマンスを上げて筋肥大することで、基礎代謝を上げて体重減少を図るという意味では肥満にも効果はありますが、糖質なので肥満の人は摂り方や摂取量には注意が必要です。
摂取しすぎてしまうと余分なものは中性脂肪として蓄えられてしまうので、肥満で悩んでいる人が摂取するとその分糖分を体内に摂り入れてしまうことになるため、摂取をしない方がいいかもしれません。
もちろん肥満状態でも、食事内容を改善して炭水化物の量を把握した上で運動時に摂取するのであれば摂取してもいいと思います。
マルトデキストリンの食事制限への影響
各食事制限中に摂取しても影響がないかをチェックしましょう!
糖質制限への影響 | × |
脂質制限への影響 | ◎ |
糖質制限への影響
糖質制限中は摂取しないようにしましょう。
糖質制限中はその名前の通り、糖質の摂取量を制限するダイエット方法なので、運動のパフォーマンスを上げるためとはいえ摂取は控えたいです。
糖質制限中は厳しくやる場合、私は50g以下に抑えないといけないので、食事をどれだけ頑張っても野菜などから30gくらいは摂取することになります。
そのためマルトデキストリンで40gなど摂取をしてしまうとオーバーしてしまうので、糖質制限中は摂取しないようにしています。
脂質制限への影響
私は積極的に摂取したいサプリメントです。
脂質制限中の糖質はエネルギーを作り出すためにとても重要な栄養素になりますので、食事だけではなく運動中も積極的に摂取するようにしています。
ただし脂質制限中といえど、マルトデキストリンでの摂りすぎはリスクがあるので、基本的には食事で摂りつつ、運動中に摂取する量はあまり変えないようにしましょう。
ハゲデブを気にするならまずは検査キットがオススメ
もしハゲデブを気にしているなら手軽にできる検査キットがオススメだよ!
今回ご紹介したサプリメントを検討する理由は人それぞれですが、このブログ記事を読んでいる人は少なからずハゲデブを気にする人も多いはずです。
ただ私もハゲデブ経験者なので分かりますが、病院で相談をすればいいとわかっていつつも、ハゲデブは人に相談しづらい内容だという気持ちもメチャクチャ良く分かります。
「病院で診てもらうのは恥ずかしいから、とりあえずハゲデブに対するリスクを知りたい!」という人には簡単に自分の肥満、薄毛に関するリスクを把握できる検査キットがオススメです。
- 参考文献一覧
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*1 Effect of glucose supplement timing on protein metabolism after resistance training ー J Appl Physiol (1985) (IF: 3.53; Q2). 1997 Jun;82(6):1882-8. doi: 10.1152/jappl.1997.82.6.1882.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9173954/*2 Carbohydrate ingestion improves endurance performance during a 1 h simulated cycling time trial ー J Sports Sci (IF: 3.34; Q2). 1997 Apr;15(2):223-30. doi: 10.1080/026404197367506.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9258853/*3 Macronutrient intake and whole body protein metabolism following resistance exercise ー Med Sci Sports Exerc. 2000 Aug;32(8):1412-8. doi:10.1097/00005768-200008000-00009.
*4 Takii, H., Ishihara, K., Kometani, T., Okada, S., and Fushiki, T.: Biosci. Biotechnol. Biochem., 63, 2045–2052(1999).